十数年住んでいながら知らなかったのですが、飯田市では毎年「市民の意識に関する基礎世論調査」というアンケートを、無作為に抽出した 2000 人の住民に対して実施しています。今回初めて私のところにも調査票が届いたので、インターネットから回答させていただいたんですが、そのサイトに調査結果を左右しかねない欠陥があったので、それについて書き留めておこうと思います。
- 参考:令和6年度(2024年度)市民の意識に関する基礎世論調査の結果について
https://www.city.iida.lg.jp/soshiki/160/ishikityousa.html
問題点
市からの調査依頼は郵送で届きます。回答は同封の調査票に記入して返信用封筒で郵送するか、インターネットで回答するかを選ぶことができます。問題は次の2点です。
- 回答サイトの URL を知っていれば、誰でも回答することができる
- 1人の回答者が何回でも回答することができる
1点目に関しては、URL は調査票に記載されていますし、いまはもう削除されてしまいましたが市のホームページにも掲載されていました。ログインパスワードがないので、URL さえ知っていれば誰でも回答できます (現在はリンク切れ)。
2点目に関しては、私が実際にやって確認しました。その時期、兵庫県知事のパワハラ騒動に関して実施されたアンケートで同様のことが話題になっていたので、興味本位で試してみたら、できてしまったという次第です。
- 参考:何度も回答可能なアンケート調査の結果を基に兵庫県知事のパワハラを見聞きした旨のテレビ報道が繰り返しなされたこと等に関する質問主意書
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/216/syuh/s216039.htm
なお、2回目の回答の際は備考欄に「2回目」と書いたうえで、その旨を市の担当者に連絡しました。
つまり、友だちを 100 人動員したり、そこまでしなくても1人で何回も回答することで、その人にとって有利な結果へと誘導することが可能だということです。よってこの調査の結果を参照したり利用したりする際は、その点に注意が必要だと考えます。
ちなみに、遅くとも平成 30 年度の調査からすでにインターネットによる回答が可能であったことが、過去の調査結果一覧からわかりますが、いつから上記のような状態だったのかは不明です。
市の対応
上記の問題点は、発見後すぐに市のホームページの「やらまいか提言」を通じて報告しました。市からは次のように回答をいただきました。
- 来年度からは、インターネットによる回答は、調査票が郵送された回答者に限定する
- 今年度も、重複と思われる回答は可能な限り排除する
なお、「やらまいか提言」は市のホームページへの掲載を希望するかどうかを選べるので、掲載希望のほうにチェックを入れておいたのですが、2025 年 7 月現在、この件に関しては特に掲載されていないようで、ちょっと残念でした。
所感:公表された調査結果について
先日、件の基礎世論調査の結果が公表されました。
- 令和6年度(2024年度)市民の意識に関する基礎世論調査の結果について
https://www.city.iida.lg.jp/soshiki/160/ishikityousa.html
それによると、調査対象者数 2000 人に対して、回収数 796 人、回収率は 39.8% とのこと。昨年度は回収数 835 人、回収率 41.8% でした。昨年度と比べて 39 人分の減少がみられますが、これが重複回答によるものかどうかはわかりません。個人的には、誰かが調査結果を組織的に操作しているというほどの数ではないかなあという印象です。
参考までに、直近7年分の回収数と回収率は次のとおりでした。
| 実施年度 | 回収数 (人) | 回収率 (%) |
|---|---|---|
| H31 (2018) | 905 | 45.3 |
| R01 (2019) | 828 | 41.4 |
| R02 (2020) | 975 | 48.8 |
| R03 (2021) | 832 | 41.6 |
| R04 (2022) | 827 | 41.3 |
| R05 (2023) | 835 | 41.8 |
| R06 (2024) | 796 | 39.8 |
※ 「令和6年度(2024年度)市民の意識に関する基礎世論調査の結果について」 に併載されている過去の結果を元に作成
というわけで杞憂だったのかもしれませんが、来年度からは今回のような問題が起こらないように対策していただきたいものです。特に気になるのは、問 12「住んでいる地域や周辺に、他地域から移住者 (外国人を含む) が来ることについてどう考えますか?」という設問です。埼玉県川口市の例もあるので、誤った調査結果を根拠にして、誤った政策が進められることのないように、十分注意していただきたいと思います。